はじめに

「WordPressの方が見た目がいいから、WordPressで作ってほしい」

上司からそう言われたのがWordPressとの出会いでした。

WordPressというものがあるらしいと言うのは、Web作成の勉強をしていく中で知っていましたが、もちろんWordPressの導入などしたことはありません。
この記事では、導入して最初にぶつかった壁、そして今も続いている課題をお伝えします。

WordPressとは何か

WordPressとは、Webサイトを作成・管理するためのCMS(コンテンツ管理システム)です。
CMSとは「Content Management System」の略で、HTMLやCSSを直接書かなくても、管理画面から文章や画像を入力するだけでWebサイトを更新できる仕組みのことです。

WordPressの特徴内容
無料で使えるWordPress本体は無料。サーバーとドメインの費用は別途必要
管理画面から更新できるコードを書かずに記事・画像・ページを追加・編集できる
テーマでデザインを変えられる無料・有料のテーマを適用するだけで見た目を変更できる
プラグインで機能を追加できるSEO対策・フォーム・バックアップなど機能を拡張できる
SEOに強い検索エンジンとの相性が良く、SEOプラグインも豊富
世界シェアNo.1世界のWebサイトの40%以上がWordPressで作られている

グラフィックデザインで例えるなら、WordPressは「テンプレートが用意されたデザインツール」のようなイメージです。デザインの枠(テーマ)はあらかじめ用意されており、その中にコンテンツを入れていく作業になります。

WordPressの導入に必要なもの

WordPress自体は無料で使えますが、使い始めるには、大きく2つのものが必要です。

  1. ドメイン
  2. レンタルサーバー

💡 ドメインとサーバーの詳しい解説は第2回・第3回をご覧ください。第10回ではレンタルサーバーの比較もしています。

WordPressの導入手順:STEP 1〜7

実際の導入の全体像はこちらです。

手順作業内容
STEP 1レンタルサーバーを契約する
STEP 2ドメインを取得する
STEP 3ドメインとサーバーを紐付ける(DNS設定)
STEP 4SSL証明書を設定する(https化)
STEP 5WordPressをインストールする
STEP 6テーマを選んで適用する
STEP 7必要なプラグインを導入する

以下、各STEPを詳しく解説します。

STEP 1:レンタルサーバーを契約する

まずWebサイトのデータを置くレンタルサーバーを契約します。WordPressに対応したサーバーであれば基本的にどこでも問題ありませんが、国内ではエックスサーバーやConoHa WINGが人気です。

  • WordPressの簡単インストール機能があるサーバーを選ぶと手順が楽になります
  • 月額費用・表示速度・サポート体制を比較して選びましょう
  • 詳しくは第10回「レンタルサーバー選び方ガイド」をご参照ください

💡 エックスサーバーの「WordPressクイックスタート」を使えば、STEP1〜5をまとめて設定できます。初めての方にはこちらがおすすめです。

WordPressを使用することが目的でレンタルサーバーを契約するのであれば、WordPressを簡単にインストール・管理できるサーバーにするのをお勧めします。

STEP 2:ドメインを取得する

次にサイトのURLとなるドメインを取得します。ドメインはサーバーと同じ会社で取得するとDNS設定が簡略化される場合があります。

  • ドメイン名はシンプルで覚えやすいものが理想
  • .comや.jpなど用途に合わせたドメイン種別を選ぶ
  • 取得前に希望のドメインが使われていないか確認する

💡 ドメインの基本的な考え方は第2回「ドメインって何?移管って何?」で解説しています。

STEP 3:ドメインとサーバーを紐付ける(DNS設定)

取得したドメインをサーバーに紐付ける作業です。
ドメインの管理画面でネームサーバー(DNS)をレンタルサーバーのものに変更します。

  • 設定自体は数分で完了しますが、反映まで数時間〜24時間かかることがあります
  • 反映前にアクセスしても表示されないため、焦らず待ちましょう

⚠️ DNS設定が反映されるまでの間、サイトが表示されないのは正常な状態です。第3回でお伝えしたDNS切り替えと同じ仕組みです。

STEP 4:SSL証明書を設定する(https化)

サイトのURLを「http://」から「https://」に変更するSSL設定を行います。現在はほぼすべてのレンタルサーバーで無料のSSL証明書が提供されています。

  • エックスサーバーの場合:サーバーパネル → SSL設定 → 無料独自SSLを追加
  • https化しないとブラウザに「保護されていません」と表示されSEOにも不利

必ず、WordPressをインストールする前に行なってください。
インストール後にSSLの設定を行うと、場合によっては余計なタスクがかかる恐れがあります。

💡SSL証明書・https化の詳しい解説は第11回で行います。
セキュリティ的に絶対に設定しておいた方がよいものなので、今は意味がわからなくとも設定してください。

STEP 5:WordPressをインストールする

いよいよWordPressのインストールです。多くのレンタルサーバーでは管理画面から数クリックでインストールできます。

  • インストール時に「サイトのタイトル」「管理者ユーザー名」「パスワード」「メールアドレス」を設定します
  • 管理者ユーザー名とパスワードは後からWordPressの管理画面へのログインに使います
  • パスワードは推測されにくい複雑なものを設定しましょう

管理者ユーザー名に「admin」を使うのはセキュリティ上避けましょう。
攻撃の標的になりやすい名前です。

WordPressはシェアが高いので、ほとんどのレンタルサーバーで簡単にインストールできるようになっています。
初期に設定したパスワード等重要な情報は必ずローカルで保存しておくと更に良いと思います。

STEP 6:テーマを選んで適用する

WordPressにログインしたら、まずテーマ(デザインテンプレート)を選びます。テーマを適用するだけでサイトの見た目が大きく変わります。

テーマの種類特徴費用
無料テーマ「Cocoon」「Lightning」など。機能は限られるが費用がかからない。無料
有料テーマ「SANGO」「THE THOR」など。デザイン・機能が充実10,000〜20,000円程度
  • 管理画面の「外観 → テーマ → 新しいテーマを追加」から検索・インストールできます
  • 有料テーマは購入後にZIPファイルをアップロードして適用します

💡個人用のWordPressの場合、自分の好きなサイトと同じテーマにしたい!等あるかと思います。そんな時はURLを入力するだけで、使用テーマや導入プラグインを推測してくれる無料サービスがあります。

使用テーマや導入プラグインを推測してくれる無料サービス

What WP Theme Is That?
https://whatwpthemeisthat.com

STEP 7:必要なプラグインを導入する

テーマの次はプラグイン(機能拡張ツール)を追加します。定番プラグインを紹介します。

プラグイン名用途費用
CloudSecure WP Security不正ログイン防止・セキュリティ強化無料
Contact Form 7お問い合わせフォームの作成無料
UpdraftPlus定期的な自動バックアップ無料(有料版あり)
Yoast SEO / All in One SEOSEO対策・メタ情報の設定無料(有料版あり)
EWWW Image Optimizer画像の自動圧縮・表示速度改善無料(有料版あり)

⚠️ プラグインを追加する前には必ずバックアップを取りましょう。また1つずつ追加して動作確認する習慣をつけることで、問題が起きたときの原因特定が楽になります。

SEOに関するプラグインについては、選んだテーマにより追加するか決めましょう。
有料テーマはSEOに強いテーマが多いので、有料テーマを選んだ際には高確率で不要になる場合が多いです。

CloudSecure WP Securityはすぐに入れて、セキュリティ強化しておくことをお勧めします。

導入後に続く課題

WordPressは導入がゴールではなく、運用していくなかで課題が出てきます。

課題内容
アップデート管理WordPress本体・テーマ・プラグインのアップデートを定期的に行う必要がある。更新を怠るとセキュリティリスクが高まるが、むやみに更新すると競合問題が起きることも
カスタマイズの限界テーマの範囲を超えたデザイン変更はCSSやPHPの知識が必要になる。グラフィックデザイナーとして「思い通りにならない」場面が出てくる
PHP・テンプレート編集より深いカスタマイズにはPHPで書かれたテンプレートファイルの編集が必要。編集ミスがサイト全体に影響するリスクがある

💡アップデートは「更新前にバックアップを取る→テスト環境で確認→本番に適用」という流れを習慣にすると安心です。
特にWordPressやテーマの大型アップデート時は慎重に行いましょう。

PHPのバージョンは、使用しているレンタルサーバーの推奨バージョンが良いです。大体はバージョンの後ろに(推奨)とつけてくれています。
推奨バージョンが上がって、アップデートが必要になった時は、必ず先にアップデートして状況を解説してくれている先輩方がいます。
SNSや解説ブログ等で調べてからどんなバグが起こり得るのか確認してアップデートをしてください。

まとめ

WordPressは「慣れるまでが大変」なツールです。
ただ一度慣れると、コードを書かずにサイトを更新できる便利さを実感できます。
知れば知るほど奥が深く、面白いツールです。
最初から完璧を目指さず、まず「公開できる状態」にすることを優先しましょう。

テーマを自作してしまうほどのめり込む可能性もありますよ。

次回予告 レンタルサーバー選び方ガイド:個人向け・ビジネス向け

WordPressの導入にも必要なサーバーをどう選ぶか、個人向け・ビジネス向けに分けて解説します。