はじめに

ドメイン移管に必死になっている矢先、次のむちゃぶりが飛んできました。

「メールサーバーも移管して」

ドメイン移管で消耗している最中に新しい移管作業です。しかも「メールサーバー」と「ドメイン」は別のものだと、このとき初めて知りました。

ドメイン移管で移管方法を問い合わせている時に、移管元の管理会社から
「メールサーバーは引き続き弊社で管理しますか?」と言われてはじめて気づいたのです。

この記事では、メールサーバーの移管手順と、実際に移管したときに起きたトラブルをお伝えします。

そもそも「メールサーバー」って何?

メールサーバーとは、メールの送受信を管理するサーバーです。

Webサイトを表示するためのサーバー(Webサーバー)とは別物です。
ここが最初の混乱ポイントでした。

種類役割
WebサーバーWebサイトのファイルを保管・表示するエックスサーバー、さくらサーバーなど
メールサーバーメールの送受信・保管をするエックスサーバーメール、Google Workspaceなど

同じサーバー会社がWebサーバーとメールサーバーの両方を提供していることが多いため、「一緒のもの」と思いがちですが、設定は別々に管理されています。

💡 エックスサーバーはWebサーバーとメールサーバーが同じ契約内で使えます。
移管後はエックスサーバー内でメール設定を行います。

ドメインとメールサーバーの関係

メールアドレスの「@」より後ろの部分(例:info@example.com の「example.com」)はドメインです。

「このドメイン宛のメールはどのサーバーに届けるか」を指定しているのが、DNSの「MXレコード」という設定です。

設定名役割
MXレコードこのドメイン宛のメールをどのサーバーに届けるかを指定する
AレコードこのドメインのWebサイトがどのサーバーにあるかを指定する

ドメイン移管のときにMXレコードがリセットされることがある、と前回お伝えしました。
メールサーバー移管では、このMXレコードを新しいサーバーに向け直すことが作業のメインになります。

メールサーバー移管の全体像

手順やること作業場所時間の目安
1移管先でメールアカウントを作成する管理画面10〜20分
(メールアカウント数による)
2既存メールのデータを移行する(必要な場合)メールソフトデータ量による
3MXレコードを変更する移管先の管理会社のDNS設定画面5〜10分
4反映を待つ数時間〜24時間
5送受信の動作確認をするメールソフト・ブラウザ10分

⚠️ MXレコードを変更した後、実際にメールが届くまで数時間かかることがあります。「届かない=設定ミス」と決めつけず、まず少し待ってから確認しましょう。

STEP 1 移管先でメールアカウントを作成する

移管先の管理画面にログインし、移管するドメインのメールアカウントを作成します。

💡 メールサーバー移管の場合、移管前に使っていたメールアドレスと同じアドレスで作成します。アドレスが変わると、取引先への連絡が必要になるので注意しましょう。

メールアカウントの作成者と、使用者が違う場合には、初期パスワード生成サイトで一括で生成しましょう。
お客様にはあとから必ずパスワートを変更してもらうようにしましょう。

初期パスワードは以下のサイトなどでまとめて生成すると楽ですよ。
URL:https://www.luft.co.jp/cgi/randam.php

STEP 2 既存メールのデータを移行する(必要な場合)

過去のメールデータを新しいサーバーに引き継ぐ場合は、この手順が必要です。

Outlookなどのメールソフトを使っている場合は、ソフト内で「アカウントの追加」をして新旧両方を表示できる状態にしてから、手動でメールを移動させる方法が一般的です。

方法向いているケース難易度
メールソフトで手動移動Outlook・Thunderbirdなどを使っている★☆☆
IMAP設定で自動同期Gmailなどクラウド系に移行する場合★★☆
サーバー間直接移行データ量が多い・専門知識がある★★★

💡 移行期間中はOutlookに旧アカウントと新アカウントの両方を登録しておき、新サーバーへの切り替えが完全に完了したら旧アカウントを削除する流れが確実です。
送信時のアカウント選択ミスに注意しましょう。

STEP 3 MXレコードを変更する

移管先の管理画面でDNS設定を変更し、MXレコードを移管先のサーバーに向けます。

STEP 4 反映を待つ

MXレコードの変更後、設定がインターネット全体に反映されるまで時間がかかります。

目安時間状況
数分〜1時間早い場合はすぐ反映される
数時間多くの場合このくらいで反映される
最大48時間遅い場合でもこの時間内には反映される

⚠️ 反映待ちの間もメールの送受信を試みると、古い設定と新しい設定が混在して結果が不安定になる時があります。変更後は少し待ってから確認しましょう。

STEP 5 送受信の動作確認をする

反映後、以下の確認を必ず行いましょう。

  • テストメールを別のアドレスから送って受信できるか確認する
  • 新しいアドレスからメールを送って相手に届くか確認する

よくあるトラブルと対処法

症状原因(多くの場合)対処法
メールが受信できないMXレコードの値が間違っているエックスサーバーのMXレコード値を再確認して修正
メールが送信できないSMTPの設定が古いままメールソフトのアカウント設定でSMTPサーバーを更新
反映に時間がかかっているTTL値が大きく設定されているしばらく待つ。急ぐ場合はTTL値を小さくしてから変更

まとめ

メールサーバー移管で特に気をつけてほしいのはこの3点です。

  • 移行の場合はメールアドレスは変えない。取引先への連絡コストを最小限に抑えられる
  • 旧サーバーのアカウントはすぐに削除しない。切り替え後しばらくは並行運用し、問題がないことを確認してから削除する
  • 作業は業務時間外に行う。万が一トラブルが起きても、対応する時間的余裕が生まれる

移管自体はそんなに難しくはありません。
各個人にメールソフトを設定してもらう場合にはそちらに1番時間や労力がかかります。
実際に現場に行ったり、Zoomだったりを活用して、相手が気軽に質問できる状態を作りつつ対応していきましょう〜

次回予告 グラフィックデザイナーが0からHTML/CSSを学んだ話

ドメインもメールも落ち着いたところで、次は「フロントエンド言語をマスターせよ」というむちゃぶりが待っていました。

グラフィックデザイナーの視点から見たHTML/CSSの学び方と、ツール・カラー設定の違いも合わせてお伝えします。